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20 殿下の涙

last update Date de publication: 2026-01-31 20:12:02

 殿下が泣いている姿を見て、私は動揺してしまう。

 殿下の苦しみは痛いほどわかる。

 今日私は、女官たちと話をし、食事を共にした。まだそれだけしか一緒にいないが、彼女たちがもし殺されたら?

 きっと冷静ではいられなくなるだろう。

 殿下が皇位継承を諦めれば殺人は止まるかもしれない。

 けれどそれでまるくおさまるなんてあるのか?

 もし、陛下の血をひく男子が複数いるとしたら?

 最悪の事態を想像してしまい、私は思わず顔を歪める。

 きっと違う殺人事件が起こるだろう。

 皇帝陛下が絶対に認めない隠し子たち。もし殿下が弱っていると聞きつければ、誰かが陛下に進言するだろう。

 殿下は皇位継承者としてふさわしくないと。

 考えただけで吐き気を覚える。

 殿下は顔を背け、震える声で言った。

「すみません、情けないことを言ってしまって」

 涙を拭っているらしい殿下に私は何の声も掛けられず、私は首を振り、いいえ、とだけ答えた。

 しばらく考えて私は何とか重い口を開く。

「……彼女らを守るためにも早く犯人を見つけ出さないとですね」

「そう、ですよね」

 涙交じりの声が聞こえ、私の胸に痛みが走る。

 私
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